古武術と医療と組織論と
週間医学界新聞から小ネタです。
週間医学界新聞
■古武術介護入門
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2639dir/n2639_08.htm
この筆者が教えを受けた甲野善紀先生
http://www.shouseikan.com/index.html
は、一年生のとき養老先生と対談をしている本を読んで以来、ずっとファンでした。投手・桑田が甲野先生の助言を受けて復活したという話が有名です。どこだったか、無名だった進学高校のバスケットチームも、甲野先生の弟子の教えを受けて、強豪校になったという話もまた有名ですね。
などといいつつも僕も余力がなくて講習会には一度もいけていませんが(T-T)
古武術というのは、非常に面白いです。
僕はもともと科学者だったせいもあり強く思いますが、西洋運動論から西洋哲学まで、「支点・力点・作用点」を意識した「てこの原理」が重要です。原理・原則が重要なんですよね。それは、分かりやすいし大きな力を得られる。それが、科学がこれだけ力を得た理由だとは思います。
複雑系は難しいから、複雑系をそのままとらえることは放棄して、意義があり使いやすい単純系に変換するという発想をもったところに、今の西洋の繁栄が生まれたわけです。
けれどそれって、実行する、というときにはまわりくどいんですよね。
Goalをじっと見つめてひとつの方法ではなくいくつもの方法を一斉にやる、という、分析することや後輩に伝えることは難しいけれど、実行するには効率的で強力な方法、もある。そして、一子相伝だったからこそその世界を伝えることができた古武道の世界に、いろいろヒントが残っている。そんなことを、甲野先生の著書などを読んでいると感じます。
・自分の力ではなく、重力をつかう
・大きな魚が動くと遠心力など余計な力が発生する。しかし、支点を分散させると小魚の群れがパッと方向転換できるように、パッと動ける
…こんな哲学を、組織論に書き換えたいなあ、とずっと思っているんです。なかなかうまくはいかないのですが。
武術って、面白いです。
言葉にならない(するのが面倒な)論理がある。西洋のマーシャルアーツとかとは違っている。普段言葉をこねくりまわしているので、言葉にできない論理って、気持ちがいいんですよね。
やっぱり、甲野先生の講演会、学生をやっているうちに、いちどは聞きにいかないとなあ…